Play! Bike! Camp! バイクパッキング記録ブログ

40代子連れのおっさんが、バイクパッキングやポタリングする記録のブログ。

大阪のバイクロア に行って感じた楽しさと違和感と

土日にうめきたで開催されてたバイクロアに行って来た。「おとなとこどもの運動会」というコンセプトで関東ではもう何回かやって定着してるイベント。シクロの大会が中心だけど普段のガチな感じじゃなくて楽しみながらみんなで遊ぼうという趣旨のやつ。


自転車文化の形としてのバイクロア

過去のやつはインスタで人が上げてるのみたり、ネットでレポートが出てくるたびに読んでた。ちょっと都心から外れるけどアクセスの良いところで、レースがあったりキャンプしてたり、飲食や物販もガレージブランド的なところが並んだりしてすごく楽しそう。

レースもちゃんとしたやつから趣向を変えた面白レースみたいなのまであって、ああいう感じのイベントって楽しそうやなあと思って遠くで眺めてた。

僕もそうだし周りの友人にも結構いる、「10年前はフジロック行ってキャンプして遊んでたけど、子供できたら1人でもできる趣味が良くて自転車乗り出した」みたいな人が結構ドンピシャでハマる感じ。フジロッカーは、キャンプや雨具からスタートしてどんどん装備が強くなって行くのでスッとキャンプ始めたり山に行ったりするところに移行できてたなあという印象。それが自転車乗ったらチャリキャンプしようという流れになるのも必然。僕のことです。

自転車やお店を中心としたゆるいクラスタがあって、インスタやTwitterでつながりながらその輪の真ん中にバイクロアみたいなイベントがある。わかりやすい。普段からレース出る人もたくさんいるけど、そうじゃない人もフラッと遊びに行ける敷居の低さ。面白そうだなあと思って眺めてる。


現場で感じた面白さ

梅田の駅前が綺麗に飾り付けられて、会場には高そうな自転車があちこちに並んでる。駐輪のクロークに停まってるだけでも中古のマンション買えるくらいになってるんだぜ、あれ。並んでるチャリにデュラエースだのクリスキングだのががんがんインストールされてるのだ。すげえなあ。

出店してる知り合いや奥さんの仕事の絡みの人のところに挨拶行ったり、友達と会って世間話したり、関西の自転車コミュニティの端っこにいて出会う人たちと話したり「あ、ネットで見たチャリや」ってなったり。


で、そういうこじんまりとして「企業のPRイベント」じゃない手作りの感じが梅田の高層ビル群を背景に繰り広げられるというギャップ。

シクロの大会なんて、川辺や堺浜みたいな隅っこの方でこじんまりとやってる感じなのでいきなりメジャー感がある。



次はどこでやるんやろね、箕面とか淀川とかでやると普通すぎるよねえなんて知人と会話してるけど、その「都心のシクロ」って感じがとても面白い。


あと、シクロの人とピスト乗りが入り混じってる感じがあって、それはレースの構成の影響なんだけどそれもまた面白い。いかにもロード乗りという人の姿はほとんどなくて、そりゃ都心の信号も車も多いところにわざわざチャリで来るわけないので、多分カジュアルな格好でちゃんとおしゃれして飲み食いしてる人たちがそうなんだろうな。「見に来ただけ」の人たち。

いろんな距離の取り方や楽しみ方があってちょっとずつ入り混じってる感じ。次やるときはキャンプ可能なとこでやって欲しいね。


現場で感じだ違和感や閉塞感

うわー、面白いなーと思いつつも感じた違和感みたいなものは、「インディのバンドがライブハウス借りてやってるイベント」みたいだと思ったら自分の中でストンと腑に落ちた。内輪で、閉じられてて、関係者が楽しんでるやつ。


シクロ自体が母数がそんなに多いわけでもないので、全く係わりのなかった人が「シクロのレースがあるから観に行こう」ってなるにはかなり無理がある。ロードに乗ってても「乗るのは好きだけどレースとか見たことない」人はゴマンといるわけだし。


ライブハウスの中にいる人の半分が出演してるバンドマンで、残りの半分以上は直接誘われて来た、いつも見かけるバンドマンの友人。そんな状況にとても似てる。

イベントの主体も、1番楽しいのも、シーンの真ん中にいてそこまで苦労のあった人たちの姿がある。それ自体は別に悪いことでもないんだけど、閉じられていて排他的で、パッと通りがかりの人は参加しにくい感じのやつ。それで良いのかなあというのをぼんやりと考える。


ラソンだと、みんな靴とシャツ買って淡々と自分で練習して地域のマラソン大会を目指す。応募すりゃ誰でも参加できて競技人口も多い。

スキーだと、友達や慣れた人と一緒に行こうって言って最初はレンタルで始めて慣れて来たら欲しい道具揃えたり大会に出たり?ゴルフも「身内で遊びに行くこと」ありきで遊びに行って、オープンの大会というよりは身内のコンペとかに参加する感じか。


ロードバイクシクロクロス、ピスト、クリテリウムグランフォンドファンライド。いろんな自転車の種類や色んなイベントがあるけれど、周りの友人は「好きな時に好きなところ走れるのがロードの良いとこやのになんで金払ってイベント出んねん」みたいな意見が多いし僕も同意する。
それでもレースに出て上のクラス目指すみたいなのは僕にはないけどよくわかる。シクロやクリテリウムのイベントが愛好家だけのためのものなのはそんなもんだろうと思う。サッカーですらスタジアムが満員になることがそんなにないのに、アマチュアのシクロのレースわざわざ見に行かないよなあ。

バンドはどうだ。「バンドやってんねん」という知り合いのコピーバンドを見に金出してライブハウス行くのがとことん嫌いで、やるならオリジナルやれよって思うのだけどそれはまた別の話。ただお金が動く仕組みとしてはライブは上手く行ってる気がするなあ(胴元的に)


自転車のコミュニティは、やっぱりお店が真ん中にあって、メンテや修理も「他店購入の持ち込みお断り」なんてのがザラで、それもわかるけどやっぱり閉じられてる感じがすごく強いなあと思う。自転車自体が自由なのとは裏腹に。


だからどうするみたいなこともないんだけど、イベント運営のお金の動きとかすごく気になる。面白いイベントを面白いまま続けていくことはとても難しい。閉じた輪の中で盛り上がることはそんなにややこしいことではないんだろうけど。

イベント自体は楽しかったのだけど、これからどんな風になっていくんだろうということをぼんやり外野から考えてる。