Play! Bike! Camp! バイクパッキング記録ブログ

40代子連れのおっさんが、バイクパッキングやポタリングする記録のブログ。

広島 海の旅 Day3

最終日。4時くらいに目が覚めて、ゴソゴソと荷物を片付けて宿を後にする。同室のオーストラリア人には「朝方うるさいけどごめんよ」と前の日に言ってたけど物音立てるのは気がひける。

朝、静かでとてもいい天気。ゴールの福山着くまでなんとか持ちこたえてほしい

静かな しまなみ海道

5:20スタート。明るくなってきてるけど陽はまだ出てない。うまくいけば朝日をバックに多々羅大橋まで行けるかと少しペースを上げてみたけれど、曇り空なので特に感慨深い感じもなく写真だけ撮って次の生口島へ向かう。多々羅大橋でかいなあ。



橋の真ん中で再び広島に戻る。こういうところでいちいち止まれるのが自転車旅の面白いところだなあ。いくつも橋を越えて走ってきたけど、橋を越える時の高揚感は特別。


生口島は12年ぶりくらいだろうか。昔やってたフェスタ・デ・ラマって音楽イベントが生口島のサンセットビーチであって2回ほどきたことがあった。結婚した当初とか、子供が生まれる直前だとか、自分も奥さんも友人も、みんな若かったなあなんて思い出しながら空っぽになってる当時ステージが立ってた辺りを眺める。



「島ごと美術館」という取り組みがあって、アート作品がいたるところに置いてあったりするのもそのころはその頃は知らなかった新しい発見。

岡山の奈義美術館で常設展示してる宮脇愛子、大阪の国立国際で展示やってた福岡道雄、知らなかっただけで有名な人の作品がちゃんとあったりするから面白い。

サンセットビーチの向かいにあったペイントバスもいい。地方を走ってて見かける廃車になったバスってたまらん。


生口島は、スイーツやドリンク、カフェなんかがちょくちょくあって気にはしてたんだけど、いかんせん通りかかるのは午前6:30でほとんど人通りもない。自転車走らせるには良いのだけど観光や休憩にはなんの楽しさもない。



それでもただ海はキレイ。キレイやなーとぼんやり走ってると何となく過ぎ去ってしまうのでちょっと時間を取って止まって眺めたりしながら進む。早起きは、時間の自由度ももたらしてくれるのだ。店は閉まってるけど海はずっと開いてる。素晴らしい。


向島まで来て、山の上にあるウシオ ショコラトリーに立ち寄る。時間的にここがギリギリ開いてるかなというところ。ただ、オープン前に着いたのでのんびり飲み物飲むような余裕はなくて残念。いや、時間取れなくはなかったけど、後のこと考えると難しいなあ。


そしてフェリーで福山方面に渡る。
しまなみ海道の中にいるのに、ブルーラインは出てなくて、「フェリーを呼び鈴で呼び出す」みたいなこじんまりした港。すげえなこれ。

向かい岸にみえるところまで10分弱船に揺られて到着。住所は尾道だったけど、しまなみの旅は終わり。店もほとんど空いてなくてあっけなかったけど景色はキレイだった。今度は違う道を、店も開いてるタイミングで行ってみたいなあなんて思うんだけど、振り返ってみるととびしま海道のほうがシンプルで豪華でなくて、走ってて面白いなあというのがあったな。
なんていうのか、ハワイ的な、ディズニーランド的な、道頓堀的なサイクルコース。ちゃんとしてて店も充実して眺めもいい。でもそれより「なんとか商店」の場所をチェックしながら進むとびしまのほうが好きだったな。まあそんなもんだ。


船での移動はセンチメンタルで、往復だけのライドとか、普段遠出する時のぐるっと周回コース描く時と違って、「ここを越えるともうこの場所に戻ってこない」というのは込み上げるものがある。学生の時海外旅してて、「このフェリーに乗るともうギリシャに戻ってくることはない」みたいのが何度かあったけど、船で陸地が離れていくときや、港が見えてその土地の果てにたどり着く感じが旅情感をずっと煽ってくる。たまらんなー。こういう感情のために旅をするし、自転車に乗るんだ。旅が終わるとか、土地を離れるとか、感覚と身体性がふわっと離れていく感じとか。飛行機だと早すぎるし、電車だと日常的すぎる。


福山に入って後はひたすらにゴール目指してペダルを漕ぐ。本州に入っているのでそこまでみたいな旅情感はなくなるけど、それでも景色はずっとキレイ。

旅の雑誌か何かで見た神勝禅寺というところに立ち寄って、絶景の風呂や庭園を散策。入場+入浴で2,000円もするんだけど朝早く起きてお店をパスして走ってきたのが全部報われるくらいの眺めの風呂だった。一番風呂で水面が止まってて「写真撮られますか?」と促されて風呂入る前にパシャパシャと撮影。うーん、コンデジの限界。



風呂の後は山を下って福山の鞆の浦までのんびりライド。13年くらい前に来た以来だけど、古い街並みは楽しさと懐かしさと、後は少し地元みたいな空気があるな。

うまい塩ラーメン食って、福山駅までたどり着いてジャスト100km。無事雨に降られずゴールできた。


雨降られずに済んだ嬉しさや、走りきった達成感(3日で290km)、そして旅が終わる寂寥感。いろんな気持ちがあるけれど、とりあえずビール飲みながら新幹線に乗って帰路につく。

旅の終わりに

今回はキャンプではなかったけれど、ロードバイクで旅に出るのはやっぱり楽しい。

家の周りを移動する日常の道具をそのまま使って知らない土地を旅する面白さとか、旅先で散在する見所をつないで移動中も楽しめるのとか、自分と周りとの境界がぼんやりするのも楽しいな。

バイクの種類が違えば道の選択肢も変わるだろうし、荷物は軽いに越したことないなぁってのもやっぱりある。今回は自転車要素強めだったけど、観光要素強くても違う楽しさはあるだろうし日程や移動距離次第で出来ることもいろいろ変わるんだろうな。滞在型にするなら1日40kmくらい走れば十分だろうし。


以前「100kmも走らなくても楽しい」という記事を書いておいて今回は3日で290km走ったけど、そこはやっぱり「距離が目的」ではなくて楽しみ方の手段や質の問題やなあと改めて感じるわけです。脚力や登坂力はあるに越したことないし、コースを考えて移動時間と距離がおおよそ出た時に、どれだけ寄り道や休憩や、雨が降りそうな時なんかのイレギュラーに対応できるかって話だなあ。



走れるなりの、走れないなりの楽しみ方は必ずあるので、美味しいところだけかいつまんで楽しむのも全然ありだと思う。そういう楽しみ方をある程度許容しそうなところがしまなみ海道の面白さかなあと思ったりして、これはまた誰かと一緒に走りに来たいな。日帰り往復とかは流石にやらんなあと思うけど。

UFOラインへのアプローチとか、今治から広島向かうとか、瀬戸内を軸にして楽しむ方法はいくつもありそうやもんなあ。

またどこかのタイミングで走りにいこう。