Play! Bike! Camp! バイクパッキング記録ブログ

40代子連れのおっさんが、バイクパッキングやポタリングする記録のブログ。

ローカルを走る、ということについての所感

遠方からのゲストを迎えて南河内の地元を走る。ワクチン済ませた人が走る人やお店の人で増えていくと、状況やタイミングやいろんな環境に依るけどもこれからこういうことが増えていく(戻っていく)だろうな。

さて、そうなった時に「大阪の道は面白いのか?」ということをぼんやりずっと考えている。

誰かと一緒に知らない道を走ること自体楽しいことだと久しぶりに思うのだけど、大阪そんなにおもろいやろうか、と。

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地元を走る

去年の早春以降、何となく地元のエリアを走ることが増えて淡々と家から近いエリアを少ない人数で走るようになった。

まあそんなもんだと思いながら同じようなところを走りながら新しい道を探したり新しい楽しみ方を探したりする。

以前出張でニューヨーク行った時にレンタサイクルでしばらく街の中を走ってみるとすごく楽しくて、かつ「街の雰囲気」が身体に染み入ってきた。ブルックリン橋の大きさ、チャイナタウンの空気感、WTCの不在が示す存在感。バスやサブウェイよりも体験できることとか得られる情報量が格段に違った。

村上春樹は旅先でジョギングすることでその街を理解すると言ってたけど多分同じような事で自転車は街の体感が広くメッシュ状に入ってくる。


そういえば、松阪も浜松も木津も京都も、サイズ感や土地の雰囲気をよく理解できたのは大通りから路地裏まで自分の街と同じスケール感で自転車に乗っていたからかな。通天閣も道頓堀もUSJも行かない大阪旅行だったとしても、半日チャリで走る機会があれば大阪の土地の事を理解できることはあるかもしれない。

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里山のエリア、南大阪

大阪の、都心を離れたエリアの特徴は「里山エリア」が広い事かなと最近ずっと考えていた。里→里山→山、という連続性の中で人と自然とが混ざり合うエリア。大きく一括りにすると、ずっと郊外の住宅地が延々と続いていて面白みがないと思っていたし、琵琶湖西岸にある「仰木の里」のようないわゆる里山の綺麗な景色とは違うよなあと思っていた。ただ、自転車で幹線道路以外も網の目のように走り出すとそうでもないということが朧げに身体的に理解できるようになる。

住宅地の一本裏には古い街道が通ってたり、どこまでも民家が見えず街灯もないエリアみたいなのこそ少ないけれど、果樹園があったり田んぼが広がったり牧場があったりする。「大阪の果物」と言われてもピンとこない人の方が多いだろうけど実際にはミカンや桃、メロン、ぶどうあたりは鉄板だし、野菜や米もかなり地元で消費されている。人口は多いので府外に出ない食物も多いはず。

そんなものはどこの都道府県でも同じで道の駅にはあらゆる地元の野菜果物が並んでいるし車走らせてもどこの地域にも田んぼはあるものね。


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とにかく広い大きな平野はなく(大阪市堺市の平野部は家が多すぎて抜け感がない)、長野のように峻険で大きな山はなく、絶景やバエるスポットはほとんどないんだけど、山に向けて緩やかに繋がる丘陵地帯で小さなアップダウンはどこまでも続く。どんなに山に入っても目に入る作業小屋や古い民家は非日常性を損なうなあと思っていたけど、その山奥まで続く人の営みは人の多い大阪ならではなんだろうなあと思ったりもした。神奈川や埼玉でも似たようなものなんだろうか。そこも多分地域の特性があるんだろうな。

川沿いには未舗装路も多く残っているし田んぼや葡萄畑沿には各市が整備したハイキングコース(地理院地図上は軽車両道路だったり)があって乗り入れられるようになっている。
林道、古道、河原、探しながら道を繋いで気がつくとそこそこアップダウンを繰り返す。道は荒れてたり未舗装だったりするので整備されたサイクリングロードや峠道を走るのでなく「面白そうなところ探してみよう」という走り方をするなら南大阪は意外と楽しめるし、タイヤの太いグラベルバイクが実はかなりマッチしている。

前にコンビニで休憩してる時にロードバイクのグループの人たちが「次はグラベルバイクにするんか?」みたいな話をしてて会話が耳に入ってきた。
曰く「大阪の道は99%舗装されてるしグラベルバイクで走るようなところあらへんで」とのこと。イヤイヤ、全然そんな事ないけどなと思ったのだけど結局認知とか認識とかの問題で知らないことは目に入って来ないようにできているのだ。


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何がすごいとか何が特徴かとか、それはそれとしてどこの土地にもそこならではという特性はあるんだろうな。自分たちが地元で走ってると「そんなもん」と思ってる風景は他の地域から来た人には特異で斬新に見える事があるんだろう。

どこを走るか

どこかに絶景を求めて大阪から遠征することはあるけど多分逆はない。「大阪、一度走ってみたいと思ってたんで是非案内してください」はないだろうなと思う。一箇所で全部持っていけるような絶景があるわけじゃないもんなあ。

ただ、それがどれだけすごいかどうかは関係なく僕は地元の道をいかに楽しむかと思いながら遊べるところを探検しつつ走っているし、「楽しみ方」についてはかなりの工夫はある方だろうな。

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そんな事を考え出すと海外ツーリングまで行かなくても(行きたいけど)国内でもまだまだ遊べるところはいっぱいあると思うし似たような楽しみ方をしている人たちを探していくのが最短距離でアプローチできる方法なんだろうなと思う。


近所のグラベルクラフトビール、バイクパッキング、キャンプライド。 そういうのを楽しめる仲間が少しずつつながっていく様子や、40を超えて友達が増えていく感覚はとても楽しい。サイクリング部とかで強いネットワークがある人もいるだろうけど歳をとってから始めた趣味でも徐々に繋がったり広がったりしている感覚。

まだまだ知らない道ばかりだ。